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PBP(投資回収期間)とは?500の投資をいつ取り戻せるかで比較する
PBP(Pay Back Period、回収期間法)とは、最初に投じたお金を、投資から入ってくるお金で取り戻すまでの時間を比べる方法です。今回のように投資額がどの案も500なら、500を最も早く回収する案を選びます。
01なぜ「回収までの時間」を知りたいのか
スーパーが新しい在庫管理システムに500万円を投じると考えます。導入後には廃棄や手作業が減り、毎年お金が浮くかもしれません。しかし、それがすぐに起きるのか、何年も先なのかで経営上の安心感は違います。PBPは、資金を投じた後の回収スピードに注目します。
導入時
−500万円
先に現金が出ていく。投資額はまだ一切回収できていない。
導入後の毎年
+キャッシュイン
毎年入ってくるお金を積み上げ、合計が500に達したところが回収時点。
ここでのキャッシュインは利益という言葉と同じとは限りません。会計上の利益と現金の動きは異なるため、PBPでは問題で示されたキャッシュインをそのまま積み上げます。
02元の4案を、累積額で見比べる
問題の解説に示されている各年のキャッシュインを、500に届くまで並べると次のようになります。年途中の回収時点を出すときは、その年のキャッシュインが一年を通じて均等に発生するものと仮定します。
| 案 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 回収時点 |
|---|---|---|---|---|---|
| a | 100 | 150 | 200 | 250 | 3.2年 |
| b | 100 | 200 | 300 | — | 約2.67年 |
| c | 200 | 150 | 100 | 150 | 約3.33年 |
| d | 300 | 200 | — | — | 2年 |
※ 表は各案が投資額500を回収するまでの説明に必要な年の値です。後年のキャッシュインを含む全期間の収益比較表ではありません。
500を超えるまでの累積額の動き
折れ線は各年末の累積キャッシュインをつないだものです。d案は2年目末に500へ到達し、最初に回収できます。
03どうして3.2年のような端数が出る?
a案は3年終了時点で100+150+200=450まで回収しています。まだ50足りません。4年目に250入ってくる予定なら、50は250の5分の1です。4年目のうち0.2年で回収する、と考えます。
a案の計算
3年 + (500 − 450) ÷ 250年 = 3.2年
この計算は「4年目の250が、その年の中で均等に入る」という近似です。年末に一括で入る契約なら厳密な回収時点は変わります。
b案
2年で300。残り200を3年目の300で回収。
2+200÷300 ≒ 2.67年
c案
3年で450。残り50を4年目の150で回収。
3+50÷150 ≒ 3.33年
d案
1年目に300、2年目に200。合計500になる。
回収期間:ちょうど2年
判断
同じ500を回収するなら、最も早いd案がPBP上は有利。
2年 < 約2.67年 < 3.2年 < 約3.33年
04回収が早い案は、必ず一番儲かる?
いいえ。PBPは回収までの時間を測る方法です。例えば「2年で500を回収し、その後ほとんど入金がない案」と「3年で回収するが、その後10年にわたり大きな入金が続く案」なら、PBPは前者を高く評価しやすい一方、長期的な収益では後者が上回る可能性があります。
| 指標 | 見ているもの | 注意点 |
|---|---|---|
| PBP(回収期間) | 何年で投資額を回収するか | 回収後のキャッシュフローは基本的に評価しない |
| ROI(投資利益率) | 投資に対する利益の割合 | 計算する利益と期間の定義をそろえる必要がある |
| NPV(正味現在価値) | 将来のキャッシュフローを現在価値に直した総価値 | 割引率と将来予測が必要 |
通常の単純なPBPではお金の時間価値も考慮しません。将来のお金を割り引いてから回収期間を計算する「割引回収期間法」は別の考え方です。
05操作して理解:500の回収ラインを動かす
投資額を変更したり、各案の1〜4年目の入金を調整したりすると、どの案の回収が最も早いかが変わります。「総額」ではなく「いつまでに累積が投資額へ到達するか」に注目してください。
投資回収期間シミュレーター
投資額と毎年のキャッシュインを変えられます。初期値は元の設問の回収計算に必要な数値です。後年の値が示されない部分は、ラボでは便宜上0に置いています。
a案
3.2年
4年間の合計入金:700
b案
2.67年
4年間の合計入金:600
c案
3.33年
4年間の合計入金:600
d案 ・最短
2年
4年間の合計入金:500
この設定ではd案が最も早く投資額500を回収します。 年の途中の回収期間は、年内に均等に入金すると仮定した概算です。PBPは回収後の入金の大きさを直接評価しません。
06まとめ:PBPは「いつ取り戻せるか」
投資回収期間=累積キャッシュインが初期投資額へ初めて到達するまでの時間。
投資額500に対して、d案は300+200で2年目末に回収します。比較の目的がPBPであれば最も早いd案を選びます。ただし、実際の投資判断では回収後の収益・リスク・資金の時間価値も合わせて検討します。